周囲をオホーツク海、太平洋、日本海に囲まれ、東西500km、南北400kmもの広大な道域を有する北海道。札幌・函館・小樽などの人気都市部をはじめ、世界自然遺産の知床、ラベンダー畑が人気の富良野、雲海が話題のトマム、サル山温泉が評判の湯の川温泉や温泉のデパートと呼ばれる登別温泉。さらに、洞爺湖・摩周湖・屈斜路湖・支笏湖など魅力的な湖が目白押し。日本海側の全長380kmの海岸を走る最高のドライブコース「オロロンライン(小樽から稚内まで)」からの夕日や函館山からの百万ドルの夜景。各地の地形が織りなす独特の景観や、季節ごとに異なった素晴らしい表情を見せてくれる、北海道の旅を存分にご満喫ください。
五稜郭とその歴史 五稜郭は、黒船来航後に日本の北辺防備の拠点として江戸幕府が設置した「函館奉行所」を守る城郭です。1857年に着工し、7年後の1864年に完成。蘭学者の武田斐三郎(あやさぶろう)が設計建築した、日本でも珍しい西洋式の星型要塞(稜堡式城郭)です。五稜郭の広さは、外周が約1.8km、敷地は約125,500平方メートルで、東京ドームの約3倍もの大きさです。鋭角に張り出した稜堡(りょうほ)には、左右に2つずつ計10門の大砲が設置でき、死角なしで攻撃できるすぐれた要塞です。1868年(明治元年)、旧幕府軍と新政府軍による戦い「戊辰戦争」が勃発し、その最後の戦いとなる「箱館戦争」の舞台となりました。奉行所は1871年に解体され、2010年に当時の建築方法で忠実に復元されました。
そして五稜郭の歴史を語る上で忘れてはならないのが、箱館戦争で戦死した、新選組の副長「土方歳三」です。1867年の大政奉還で江戸幕府が瓦解して、翌年に戊辰戦争が勃発。当時新選組は分裂しており、土方側の隊士たちは仙台において、榎本武揚(えのもと たけあき)の率いる旧幕府海軍と合流します。土方は榎本や新選組の生き残り隊士たちとともに蝦夷地に渡り、五稜郭を本陣とする「蝦夷共和国(旧幕側の仮政府)」が成立。榎本は総裁となり、土方は幹部として陸軍奉行並となります。しかし、1869年(明治2年)5月、圧倒的な戦力を持つ明治新政府軍との戦闘で土方は銃弾に倒れ(享年34歳)、その7日後に箱館戦争は終結。榎本は新政府軍に拘禁されるも、戦友の黒田清隆の嘆願により、禁固処分の後は明治新政府のためにその才能を生かす人生を送ります。なお、箱館戦争の実際の戦場は、五稜郭ではなく、その先の海岸線にある「弁天台場」や「一本木関門」です。
五稜郭公園のサイト
函館奉行所の公式サイト
洞爺湖と有珠山ロープウェイ 洞爺湖は「日本百景」にも選ばれた、美しく広大なカルデラ湖で、温泉街もある人気の観光地です。湖の周りには遊歩道や公園が整備され、湖畔にはいくつものリゾートホテルが立ち並びます。毎年4月末から10月末にかけては、洞爺湖の夏の風物詩といわれる「ロングラン花火大会」が毎日開催され話題となっています。また、洞爺湖まできたなら、有珠山・昭和新山のあるエリアまで足を延ばしてみることをお勧めします。有珠山は、洞爺湖温泉街から車で15分程度のところに位置し、その山麓には溶岩でできたドーム状の火山の「昭和新山」も見られます。有珠山は2000年にも噴火した、現役の活火山です。山麓駅から山頂駅までは、ロープウェイで簡単に登れます(所要時間は約6分)。山頂駅を降りるとすぐに「洞爺湖展望台」があります。左側に洞爺湖、右側に昭和新山が見えます。有珠山での展望台は、3か所あります。2つ目が外輪山に沿ってコースが設けられていて、そこから7分ほど歩いたところにある「火口原展望台」。そしてさらに30分ほど歩いたところに「有珠外輪山展望台」があります。
洞爺湖観光のサイト
有珠山ロープウェイのサイト
小樽市は札幌から北西に約40km離れた場所にある、石狩湾に面した北海道の湾口都市です(電車で約35分、車なら約80分)。市街地の一方は日本海に面し、三方は山々に囲まれた自然豊かな街です。港、鉄道、ニシン漁で栄え、その栄華の名残りは「小樽運河」や倉庫群をはじめとする歴史的な建造物でうかがい知ることができます。古きよき時代の面影を残す街並みは、ノスタルジックで風情があり、ガラス工芸、オルゴール、酒蔵で知られています。小樽運河沿いにある 1923 年に造られた旧倉庫街は、現在ではカフェやショップが並ぶモダンな地区に生まれ変わり、海鮮からB級グルメまでさまざまな美味しいグルメを味わえる街としても人気です。
小樽を知る・おたるぽーたるのサイト
富良野は、北海道のほぼ中央部に位置し、滝川方面、旭川方面、帯広方面などから電車が乗り入れています。
毎年約100万人の観光客が押し寄せ、ラベンダー観光の代名詞ともいわれています。「ファーム富田」運営の、広大なラベンダー畑「ラベンダーイースト」を含めると、その栽培面積は今や日本最大級です。見ごろの時期や特徴が異なる4種類のラベンダーを育て、6月下旬~8月上旬までの期間で紫に染まる畑を見られます。「ラベンダーイースト」駐車場からエントランスを抜けると、左手側に展望デッキがあります。そこからは360度ラベンダーに囲まれた風景を眺めることができます。
また、富良野は1981年から2002年まで放送されたドラマ「北の国から」の舞台となった場所としても有名です。ドラマの舞台となった場所はもちろんのこと、地平線が見渡せるほど広々とした大地、雄々しくそびえる十勝岳連峰、美しいお花畑、豊かな土壌で収穫された農作物による美味しい料理など、富良野の魅力は尽きません。
ファーム冨田のサイト
ふらのワイン工場のサイト
支笏湖は、周囲を恵庭岳(えにわだけ)や樽前山(たるまえさん)など急峻な山々に囲まれた、周囲約40kmのカルデラ湖です。札幌市内から車で約60分、新千歳空港からは約40分の位置にあります。最大深度は約360mあり、秋田県の田沢湖に次いで2番目の深度を誇り、日本最北の不凍湖として知られています。日本一の水質と高い透明度を誇り、湖水の中を覗ける「水中観光船」による観光は絶対に外せません。まるで水族館にいるような体験ができます。また、ドライブを楽しみたい方には、レイクサイドドライブがおすすめです。湖を一周できる道路はありませんが、湖の東側にある支笏湖温泉地区を起点に、北側方面と南側方面には道路があり、湖畔の景色を楽しみながらドライブができます。湖畔には支笏湖名物のヒメマス料理(チップ料理)が食べられる商店街があります。チップ(ヒメマス)は清らかな水で水温が低い湖に生息するサケ科の淡水魚で、サケのようにオレンジ色の身をしていて、刺身でも焼いても美味しいです。
支笏湖の水中観光船の紹介サイト
利尻島は、日本最北端の町、稚内から約52km離れた島です。周囲は約63kmで、ドライブすると1時間から1時間半程度でまわることができます。島の中心にはシンボルの「利尻山(別名:利尻富士)」がそびえたち、利尻富士を望む数多くの美しい湖沼や海岸、ウニや昆布をはじめとする絶品グルメなど、見どころの多い島です。
利尻島へのアクセスは、航空機とフェリーの2通りがありますが、飛行機は便数が少ないため、メインとなるのは稚内からのフェリーとなります。稚内~利尻島の鴛泊(おしどまり)港までは約1時間40分の所要時間です。
モデルプランとしては、『稚内まで航空機で行き、夕方のフェリーで利尻島に入り宿泊し、翌日1日観光する』または、『稚内に宿泊して、翌日稚内から日帰りで1日観光、もしくはそのまま利尻島に宿泊する』などが考えられます。ベストシーズンは、6月~10月頃までです。
姫沼(ひめぬま)/鴛泊港から4キロほど、海沿いの道から少し山に入った場所にある周囲約800メートルの人造湖。淡水魚の漁業奨励のため利尻山の湧き水をせき止めて、3つあった小さな沼をひとつにしてヒメマスを放流したことにより「姫沼」と名付けられました。
沼浦展望台(別名:白い恋人の丘)/利尻島の南部にある展望地。標高約43mの高台から利尻富士、オタトマリ沼、沼浦湿原、沼浦海岸、日本海が眺望できます。
利尻島の観光サイト(りしぷら)
礼文島は、利尻島のすぐ北側にある、日本最北の離島です。別名「花の浮島」とも呼ばれるほど、高山植物が咲き乱れトレッキングコースも楽しめる場所です。島の形は南北に細長く、風や海からの浸食により断崖絶壁や奇岩も多い、ダイナミックな自然もどこか神秘的で魅力です。
礼文島へのアクセスは、フェリーのみです。稚内~礼文島の香深(かぶか)港まで、直通便があり、約2時間です。または利尻島の鴛泊港もしくは沓形(くつがた)港~礼文島の香深港まで、約40分の所要時間です。
トレッキングは多彩なコースがありますが、初心者向けには、「桃岩登山口から桃岩展望台までのコース(所要時間:1時間~1時間半)」がおすすめです。展望台までの道のりは、花々が咲き誇るフラワーロードで、礼文島の別名である「花の浮島」にぴったりな風景が続きます。また、桃岩周辺は北海道の天然記念物にも指定される植物の群生地で、その数約300種類、島に咲くほとんどの花が自生しています。利尻島と礼文島の楽しみ方は、大きく分けると、「利尻島は観光や高山植物を楽しむ」「礼文島はトレッキングや高山植物を楽しむ」がメインとなります。最果ての島に咲く高山植物に関しては、見頃を迎える時期がほぼ同じなので、利尻島と礼文島と両方合わせて楽しまれる方が多いです。
礼文島の観光サイト
知床半島は、屋久島や白神山地、小笠原諸島などと並んで、日本では数少ないユネスコの世界自然遺産に登録されています。壮大な自然が織りなす名勝が点在する「知床八景」と呼ばれる8つの観光スポットがあります。
なかでも人気なのが、知床五湖でのハイキングと知床峠を越える知床横断道路トライブです。
知床五湖ハイキング
知床連山の麓に広がる大小5つの湖の周りには、斜里町(しゃりちょう)の「知床フィールドハウス」を拠点とした2つの道が整備され、散策ができるようになっています。ひとつは高架木道で、一湖のみご覧いただけ、バリアフリー構造のため車いすでのご利用も可能で、開園期間中はいつでも無料で安全に散策することができ、時間のない方におすすめです。もうひとつは「地上遊歩道」で、五湖すべてを時間をかけてゆっくりとまわりながら、知床の珍しい動植物たちを観察します(有料)。この「地上遊歩道」には、フィールドハウスから二湖~一湖を巡り、高架木道を通って再びハウスに戻ってくる約1.6kmの「小ループ(約40分)」と、五湖~四湖~三湖~二湖~一湖という順で、すべての湖を巡る約3kmの「大ループ(約1時間半)」のコースがあります。
知床横断道路トライブ
知床のオホーツク海側のウトロと根室側の羅臼を結ぶ全長約27kmの国道が、知床横断道路です。曲がりくねった峠道は景色変化に富み、最高到達点となる「知床峠(標高738m)」からは「羅臼岳」の雄大な山容が見え、はるかオホーツク海には国後島が見えます。知床の大自然が作り上げる圧倒的な山岳道路です。
知床五湖のサイト
知床五湖ルートマップ
釧路にある阿寒摩周国立公園は、火山活動によってできた「阿寒・屈斜路・摩周」の3つのカルデラ湖を中心に、森と湖が織り成す美しい景色が魅力の公園です。阿寒湖を中心としたエリアと、屈斜路湖、摩周湖を中心としたエリアに分かれ、ドライブ、湖上遊覧、キャンプや登山などのほか、阿寒湖温泉や川湯温泉など温泉地も多く、温泉地巡りを楽しむこともできます。
阿寒湖は、特別天然記念物指定の美しい球状体をつくる「毬藻(マリモ)」で有名です。水深2~3mに生息するマリモは、遊覧船で行ける「マリモ展示観察センター」で、近くで観察することもできます。摩周湖は、日本一の透明度の高さで知られ、その美しさと周辺の風景より、北海道遺産にも指定されています。霧が立ち込める「霧の摩周湖」になるのは、6~8月の時期です。ちなみに、摩周湖は川の出入りが確認できず、河川法上は、湖に指定できない不思議な「巨大な水たまり」とされています。屈斜路湖は、インドネシアの「トバ湖」に次いで世界で2番目に大きいカルデラ湖です。冬期に全面結氷すると、氷が割れて盛り上がる「御神渡り現象(おみわたり)」が起こり、その長さはなんと10㎞にもおよびます。また、湖畔の砂場を掘ると天然の露天風呂が作れたり、クッシーと呼ばれる巨大生物の目撃情報もあるなど、神秘的な湖です。
阿寒・摩周・屈斜路エリアマップ
月-金:09:00~19:00
土日祝:10:00~17:00
〒598-0093大阪府泉南郡田尻町
りんくうポート北5番6