佐賀県には凄いものがあります。ひとつは400年の歴史を持つ、日本の磁器の起源となった「有田焼」です。有田焼の原料となる陶石の採掘場「泉山磁石場(国指定史跡)」は、NHK番組「ブラタモリ」でも紹介され、世間の耳目を集めました。もうひとつは、邪馬台国の九州説の最大の候補地でもある「吉野ヶ里遺跡」です。弥生時代中期から後期(AD200年頃)にかけての古代遺跡で、外敵から集落を守る、堀で囲まれた大規模な環濠集落であったことが発掘調査からわかっています。そのほか、佐賀市から車で約1時間にある、嬉野(うれしの)温泉は、日本三大美肌の湯にも数えられ、特にシニア層には絶大な人気を博す温泉地として有名です。
吉野ヶ里遺跡 吉野ヶ里遺跡は、推定延長2.5kmの壕に囲まれた日本最大級の環壕集落(かんごうしゅうらく)跡です。外敵の進入を防ぐために壕の内外に土塁や逆茂木(さかもぎ)が施工されていたと考えられ、それが再現されています。南内郭は、周囲の「ムラ」を治めていた王や階層の高い人々が住んでいた場所と考えられており、「王の家」「集会の館」などの建物や、敵を見張る物見櫓も再現されています。物見櫓は実際に上ることができ、吉野ヶ里集落が一望できるお勧めの場所です。南内郭の北側にある北内郭には、3層構造の吉野ヶ里遺跡の中で最大規模の建造物「主祭殿」が建っています。主祭殿の二階は、指導者層の人たちの会議の場所と考えられ、三階は、祖先や神様の声を聞くことができる特殊能力を持った最高司祭者がいる場所と考えられています。吉野ヶ里遺跡の中で一番の見所は丘のように見える「北墳丘墓(ふんきゅうぼ)」です。墓の正面には「立柱」と呼ばれる柱が立っていて、祖先の霊が宿る柱と考えられていたそうです。この墓から出土した甕棺(かめかん)の中には人骨と一緒に勾玉や管玉などの装飾品、銅剣や織物などが埋葬されており、吉野ヶ里集落の歴代の王が埋葬されている墓と考えられています。
吉野ヶ里歴史公園サイト
七ツ釜 佐賀県唐津市にある「七ツ釜(ななつがま)」は、国の天然記念物に指定されている洞窟で、珍しい柱のような岩石が断崖まで幾層にも積み重なってできています。火山によって流れ出したマグマが玄武岩(げんぶがん)となり、さらに海水で急速に冷却されたことで、五角形や六角形の柱状に固まる柱状節理(ちゅうじょうせつり)という珍しい奇岩石に変わりました。そして、玄海灘の荒波がその玄武岩を浸食し、現代の海から続く海食洞窟を形成したとされています。玄界灘の荒波に深くえぐられたその断崖には、「七ツ釜」の名称の通り、7つの洞窟が釜のように並び、青い海が洞窟の中まで続いています。海からは遊覧船での洞窟見学ができ、陸からは「七ツ釜」の上にある玄海国定公園の遊歩道や展望台から、その神秘的な様子を見学することができます。
七ツ釜のご案内サイト
御船山楽園 佐賀県武雄市のシンボル御船山(みふねやま)は、300万年前に有明海から隆起して生まれた山です。切り立った岩肌の裾野には創建735年の歴史を持つ「武雄神社」と樹齢3千年のご神木「武雄の大楠」があり、パワースポットとしても人気です。御船山楽園は、その武雄の大楠の南側に広がる歴史ある庭園です。約1300年前に、後に奈良の大仏を作ることになる名僧行基が入山し、彫ったとされる多くの阿羅漢が安置されています。また、江戸時代後期には第28代武雄領主の鍋島茂義公が「武雄の大楠」につながる南側の山麓に、15万坪の御船山楽園をおよそ3年の月日をかけて造園しています。ハート形の鏡池を持つ回遊式庭園には、開園から170年以上たった現在も、桜・ツツジ・藤をはじめとした数十万本の花々が四季折々の風景を彩り、来訪者の目を楽しませてくれています。そのやわらかな美肌の湯を堪能できる「御船山楽園ホテル」は、1966年に誕生し、国指定記念物の名園とチームラボによるアート作品を満喫できる唯一無二のホテルです。
御船山楽園公式サイト
唐津城 唐津城は、豊臣秀吉の家臣、寺沢広高(てらざわ ひろたか)によって1602年から7年の歳月を費やして築城されました。東西に伸びる松原が両翼を広げた鶴のように見えることから、別名「舞鶴城」と呼ばれています。その城主には寺沢、大久保、松平、土井、水野、小笠原の諸氏が任ぜられています。築城当初は天守閣はなく、昭和41年(1966年)に文化観光施設として、天守閣は建てられました。天守閣内は郷土博物館になっており、唐津藩の資料や唐津焼などが展示され、唐津の歴史に触れることができます。また、展望所からは玄界灘と虹の松原の雄大な景観や、松浦川と城下町唐津の風景を見ることができます。
唐津観光協会サイト
祐徳稲荷神社 祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)は、京都の伏見稲荷大社、茨城の笠間稲荷神社と共に「日本三大稲荷」に数えられています。年間300万人の参詣者が訪れる、佐賀県のみならず九州を代表する神社です。主祭神は倉稲魂神(うがのみたまのおおかみ)・大宮売神(おおみやのめのおおかみ)・猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)で、三神は稲荷大神と総称され、商売繁盛、家運繁栄、縁結びなど、衣食住全般を司る神様として、江戸時代から庶民の崇敬を受けています。総漆塗りの極彩色の楼門、そしてきらびやかな本殿は「鎮西日光(ちんぜいにっこう)/九州の日光東照宮」と称されるほどの美しさです。また通常の神社とは異なり、山の斜面に組み上げられた高楼建築で、本殿はかなりの高台に建てられています。その高さは京都の清水寺の舞台よりも高いと言われており、階段で上るほか、本殿の北側にそびえたつ高さ20mの塔(エレベーター)を利用して本殿に上がることができます。本殿参拝後、体力のある方は、奥の院の参拝もお勧めです。本殿から奥の院までの道のりは、およそ250mで、20~30分程かかります。
祐徳稲荷神社サイト
月-金:09:00~19:00
土日祝:10:00~17:00
〒598-0093大阪府泉南郡田尻町
りんくうポート北5番6