日本一の生産量を誇るさくらんぼを始めとして、四季折々のいろんなフルーツが楽しめる果樹王国として有名な山形県。フルーツのほかにも、「つや姫」ブランドで人気のお米や「米沢牛」で知られる牛肉など、身近に知っているおいしいものがたくさんあります。そんな山形には、南北に長く広がる雄大な自然があり、長年にわたって育まれてきた個性的な文化や歴史があります。1400年の歴史が息づくパワースポットの「出羽三山」や松尾芭蕉の足跡が残る「立石寺(=山寺)」、大正ロマンの風情溢れる「銀山温泉郷」や見事な景観が広がる「蔵王エリア」等々、山形県の魅力は尽きません。そんな山形の魅力を再発見する旅に出てみてはいかがでしょうか?
宝珠山立石寺(通称、山寺)は、860年に清和天皇の勅願により慈覚大師が開いた歴史ある天台宗のお寺です。山の麓に本堂である根本中堂(こんぽんちゅうどう)があり、そこから山門を通り山の上にあるお堂を目指すという、通常のお寺とは少し異なったお参り方法になります。江戸時代には俳諧師として有名な松尾芭蕉も訪れ、『奥の細道』の有名な句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」を残しています。
1015段もある長い石段を登って、奥之院を目指すのが王道の参拝ルートです。この石段は登ることにより煩悩が消滅すると言われてます。まずは登山口からほど近い場所に位置する「根本中堂」へ。国内最古のブナ材木造建築とされ、国の重要文化財に指定されています。「弥陀洞(みだほら)」は、雨風に削られた岩壁に仏の姿を見つけることができた人は幸せになれるとされるパワースポット。邪心を持つ人がくぐらぬように2体の仁王像がにらみをきかせている「仁王門」を過ぎ、「開山堂・納経堂」へ。雄大な山々を背景に赤い納経堂が巨大な奇岩の上に建つ様は、山寺を代表する眺めです。能の舞台のようなお堂の奥から田園風景を見渡せる「五大堂」も山寺随一のビュースポット。最終地点にあたる「奥之院・大仏殿」は悪縁切りのご利益があるとされています。
宝珠山立石寺の公式サイト
出羽三山(でわさんざん)とは、「羽黒山(はぐろさん)・月山(がっさん)・湯殿山(ゆどのさん)」の三山からなり、それぞれの山は「現在・過去・未来」を表し、この三山を巡ることは「生まれかわりの旅」とされています。出羽三山の開祖は、飛鳥時代の崇峻(すしゅん)天皇の第三皇子「蜂子皇子(はちこのおうじ)」で、592年に蘇我馬子により父の崇峻天皇は暗殺され、聖徳太子の手引きにより現在の山形県鶴岡市由良まで逃避し、その後、三本足の烏(ヤタガラス)に導かれて、羽黒山で出羽三山を開いたといわれています。月山と湯殿山は冬は雪のため参拝も祭典もできないため、三山の祭典はすべてここ「三神合祭殿」で執り行い、ここを参拝すれば三山を巡ったことになるとされています。
現世を表わす羽黒山の参拝は、「随神門(ずいしんもん)」から出発し、出羽神社/三神合祭殿(さんじんごうさいでん/月山・羽黒山・湯殿山の三神を合祭した大社殿)がある山頂まで2446段の石段を登り下りする、片道1時間ほどのお参りです(車で山頂まで行く道も整備されています)。国宝の羽黒山五重塔まで、随神門から歩いて片道約15分です。
羽黒山参拝 半日コース
世界が認めた霊山を歩く「出羽三山参り」
羽黒山 五重塔(国宝)
羽黒山五重塔は東北地方では最古の塔といわれ、平将門の創建と伝えられています。現在の塔は、約600年前に再建されたものといわれ、その建築様式から、鎌倉・室町時代のものとみられています。
高さは29.4m。杉材による三間五層の素木造り(しらきづくり)で、屋根は杮葺(こけらぶき)という伝統的な手法で建てられており、日本に数ある五重塔の中でも、東北で唯一国宝に指定されている、とても貴重な美塔です。五重塔は、下から「地・水・火・風・空」の5つの世界を構成する仏教的な宇宙観「五大思想」を現わしています。羽黒山五重塔は、仏教的な世界観を現す建立物ですが、この世とあの世を司る神、大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られています。
羽黒山 五重塔のご案内
月山(がっさん)と弥陀ヶ原湿原
出羽三山の主峰である月山は、月読命(つきよみのみこと)を祀り、月を象徴する神として死後の世界からの蘇りを司っています。霊山である一方、「日本百名山」「花の百名山」のひとつでもあり、ゆるやかな稜線上で花々や眺望を楽しめる名山です。月山八合目駐車場から山頂まで片道約3時間です。「弥陀ヶ原(みだがはら)湿原」の遊歩道、「行者返し」と呼ばれる岩場を過ぎて辿り着く、標高1,984mの山頂からの眺めは、遠く日本海を望む大パノラマが広がる絶景です。山岳信仰の場として栄えた月山では、今もなお白装束で登頂する人々が少なくありません。頂上の月山神社本宮内は古来より特別な神域につき、撮影は禁止です。参詣にあたっては宮司にお祓いを受ける必要があります。
月山八合目(標高1400m)付近にある「弥陀ヶ原湿原」は、日本でも有数の高山植物の宝庫と言われています。整備された木歩道にそって空中の自然散策が楽しめます(一周約60分)。最盛期の6月~8月にはニッコウキスゲやチングルマなど、130種類以上もの花が咲き乱れます。秋には草紅葉が一面に広がり、まるで黄金色の絨毯の上を歩いているかのような幻想的な雰囲気です。
登山には、登山靴、防寒具、レインコートなどの登山装備が必要です。※開山期間:7月1日~8月31日
月山神社のご案内
月山登山 弥陀ヶ原 山頂コース
湯殿山(ゆどのさん)
湯殿山は、標高1,500mで月山に連なり、伊勢・熊野と並ぶ三大霊場のひとつです。古来より出羽三山の奥の院とされ、月山や羽黒山で修業を積んだ山伏が最後に修行に入る山で、湯殿山神社本宮は厳しい戒めで知られています。写真撮影禁止であるだけでなく、昔から「語るなかれ」「聞くなかれ」と言われ、中で何が行われているかを口外することさえ固く禁じられてきたミステリアスな神社です。また、境内は俗世とは切り離された神域につき、土足厳禁。土と石が混ざる参道を素足で歩くことで、山の大地のパワーを直に感じられるかもしれません。
湯殿山神社には社殿がなく、ご神体は熱湯の湧き出る茶褐色の巨大な岩(霊巌)です。参拝するためにはお祓いを受ける必要があります。お祓いを受けて案内された先で参拝者はやっとご神体を拝むことができます。一方で湯殿山は「恋の山」とも呼ばれていて、縁結びスポットとしても有名。ここ湯殿山でしか手に入れることができない「恋の山守り」は縁結びのお守りとして、女性に人気のお守りです。
江戸時代には、「西の伊勢参り」に対して、「東の奥参り(=出羽三山)」と称して、両方をお参りすることが「人生儀礼」の一つとされ、全国からの参拝者で賑わいました。
鶴岡駅からバスで85分。※開山期間:5月1日~11月上旬頃
湯殿山神社のご案内
銀山温泉 大正ロマンの風情溢れる温泉郷。NHK連続テレビ小説『おしん』の舞台となったことで一躍脚光を浴び、全国的にその名を知られることになった銀山温泉は、山形県尾花沢の山間部に位置します。かつて、この地には延沢銀山があり、銀の産出地として栄え、その鉱夫が発見したことから歴史がスタートし、知る人ぞ知る名湯として認知されるようになりました。しかし江戸時代、銀山の閉山にあたって、温泉街への方向転換が行われ、その際の名残が今まで受け継がれています。温泉街自体はこぢんまりとしているものの、木造多層の洋風旅館が軒を連ねる景観は見応え抜群です。特に冬の季節には、雪と温泉街のコラボレーションが美しいと話題で、多くの観光客が銀山温泉を訪れます。
銀山温泉のご案内
蔵王温泉とトレッキング 蔵王温泉は、開湯1900年の歴史を誇る日本最古の温泉地のひとつです。泉質は強酸性の硫黄泉で、泉質が似ているため「東北の草津」とも称されます。滞在中は、趣のある温泉街の湯めぐりや自然散策・トレッキング、冬はスキーや樹氷見学など「総合マウンテンリゾート」として、一年中アクティブに楽しむことができます。温泉街から10分ほど歩くと、山の眺望が素晴らしい「鴫の谷地沼(しぎのやちぬま)」があります。一周約1.5キロの散策コースで、坂もほとんどなく、自然の中をちょっと散歩したいという場合におすすめです。また、気持ちよくトレッキングが楽しめるコースもあります。「ドッコ沼」や「観松平(かんしょうだいら)」「不動の滝」など景勝地もたくさん点在し、四季折々の風景を見ることができます。
蔵王ロープウェイの「蔵王山頂駅」からは「蔵王自然公園」や「地蔵山」経由で「お釜」へ、「樹氷高原駅」からは「観松平(かんしょうだいら)」や「いろは沼」へ、蔵王中央ロープウェイや蔵王スカイケーブルからは「ドッコ沼」や「不動の滝」「鳥兜山(とりかぶとやま)」などへ行くのに便利です。
蔵王温泉のご案内
蔵王トレッキング (蔵王ロープウェイ)
上杉神社 上杉神社は、戦国最強の武将といわれる「上杉謙信」を祭神として、米沢城の本丸跡に建立されています。上杉謙信にあやかって開運招福や諸願成就、さらには学業成就や商売繁盛のご利益もあるとされるパワースポットです。参道にある舞鶴橋には「毘」と「龍」という文字が書かれた軍旗が翻ります。「毘」は上杉謙信が毘沙門天を厚く信仰していたことに由来。「龍」は不動明王を表し、全軍総攻撃をする際に突撃の合図として掲げられた旗と言われています。仏教を篤く信仰した上杉謙信は、合戦に際して毘沙門天と不動明王という最強の両神を味方につけて戦ったとされます。「なぜば成る なさねば成らぬ 何事も」の言葉で知られる上杉鷹山が祭神として祀られている「松岬(まつがさき)神社」は上杉神社の摂社です。上杉神社のほど近くにありますので、ぜひ合わせてお参りください。
松岬神社のご案内
月-金:09:00~19:00
土日祝:10:00~17:00
〒598-0093大阪府泉南郡田尻町
りんくうポート北5番6